平成23年度 名古屋市情報教育研究会

研究主題

「共に学び,確かな学力と豊かな心をはぐくむ情報教育」

―情報活用能力の育成とICTを活用した分かる授業の実現を目指して―

主題設定の理由

 情報化が加速し,わたしたちを取り巻く環境は激変しています。ネットワークやICTを活用し,時間や距離を超越して必要な情報を得たり,情報を発信したりすることは,大人だけでなく,もはや子どもにさえも難しいことではなくなってきています。
 このようなネットワーク社会に生きる子どもたちだからこそ,相手を意識し,人とつながり,共に学ぶことを通して,課題を解決する力や学ぶ喜びを味わうことが必要であると考えます。
 また,同様に,教師にもICTを活用し,興味・関心を喚起したり,視覚的に課題を把握させたり,思考や判断を促したりするといった,分かる授業に直結した指導力が求められています。
 このような時代の要請を受け,今回の新学習指導要領には,「基礎的・基本的な知識及び技能を習得させるとともに,それらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育成し,主体的に学習に取り組むためには,児童生徒がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用できるようにすることが重要です。また,教師がこれらの情報手段や視聴覚教材,教育機器などの教材・教具を適切に活用することが重要である」と記述されており,情報活用能力の育成とICT活用についての両軸の充実が明記されています。
 本研究会では,「情報活用能力研究部」と「ICT活用研究部」の二つの部会を設け,子どもたちの情報活用能力の育成と,教師が教科のねらいを達成するための,効果的なICT活用を通して,共に学び,確かな学力と豊かな心をはぐくむ情報教育を目指した研究を推進しました。
 情報活用能力研究部では,これまで研究を進めてきた「つかむ」「あつめる」「まとめる」「伝える」「振り返る」という課題解決のそれぞれのステップでの情報活用能力の育成について,さらに研究を深めました。

 ICT活用研究部では,教科等の指導におけるICTの具体的な活用方法や,活用場面について探究しました。特に,学習活動において,どのような目的でICTを活用しているのかを明確にし,機器の特性をはっきりさせ,学習活動での効果を具体的に事例を挙げ,検証しました。
 これら二つの部会での研究成果により,子どもたちは学ぶ喜びを味わい,さらに,他者とのかかわりを大切にしながら,学力を向上できると考えました。
 

 研究部 研究のねらい 研究の内容
 情報活用能力研究部  子どもたちが,共に学び,かかわり合い,積極的に情報の交流を行う活動を通して,情報活用能力を育成する実践を行い,その効果を探究する。  ○課題解決の各ステップに必要な情報活用能力を育成する場面における,情報の交流活動による効果の研究。
○課題解決のステップの中での情報を共有したり,課題解決した結果を共有したりする場を活用した学習の研究。 
 ICT活用研究部  教科等のねらいを達成するためのICTの効果的な活用方法や活用場面において観点を明確にして探究する。  ○ICTを活用する場面における,教師が意図した効果についての観点別分類。
○どの場面においてどのようなICT活用をすれば,確かな学力をはぐくむことにつながるかの検証。